ペットの防災対策
災害時の準備をしましょう
事前に買いそろえておくもの
避難施設には、ペットのための災害対策用品は備蓄されていないことが多いです。
いざという時のために、 ペット用の非常用持出し袋を用意しておきましょう。
項目 | 優先度 | 必要な理由、注意点 |
---|---|---|
5日以上の水 | ◎ | 支援物資の配給が始まるまで不足しないように、できれば7日以上の飲み水を用意しましょう。 |
5日以上のフード | ◎ | 支援物資の配給が始まるまで不足しないように、できれば7日以上の食料を用意しましょう。開封したらすぐに食べることができ、水分も含まれたものがおすすめです。 |
食器 | ◎ | 細菌のつきにくいステンレス製が理想的です。ラップがあると洗えなくても衛生的に使えます。 |
首輪と迷子札 | ◎ | ペットの迷子対策に取れにくい迷子札を準備しておきましょう。予備もあると安心です。 猫ちゃんには事故防止のため、力が加わると外れるタイプをご用意ください。 屋内飼育をしていても、災害時には離れ離れになってしまうこともあります。万が一の時のために、迷子札や犬鑑札、マイクロチップは日頃から身につけておきましょう。 |
ペットの健康手帳 動物の写真 |
○ | ペットの迷子対策として、その子の特徴をすぐに伝えられるように携帯しましょう。写真は携帯電話にも保存しておきます。 また、病気の予防についての記録を残しておくと安心です。 慢性疾患のある場合は処方箋やそのコピーも用意しておきましょう。 |
緊急連絡先情報 | ○ | 飼い主以外の緊急連絡先、避難所以外の預け先、かかりつけの動物病院などの情報を記載しておきましょう。 ※避難所以外の預け先としては、親戚、友人、知人宅、かかりつけの動物病院、ペットホテル、トリミング施設、訓練所などがあげられます。 |
薬・療法食 内服薬、外用薬、薬用シャンプーなど |
△ | ペットに慢性疾患がある場合には、すぐに薬が手に入らないことがあるため、2週間分以上の処方薬を用意しておくと安心です。 ※長期処方できない薬もあるため、詳しくは獣医師にご相談ください。 |
リード・胴輪 | ◎ | ペットが勝手に逃げ出して迷子にならないために必要です。 リードは伸びないタイプを、予備も入れて2本用意します。 小型犬や猫ちゃんはリードを付けたままキャリーバッグに入れて避難しましょう。 |
ケージやクレート、移動用キャリー | ◎ | ペットは避難所ではケージ(クレート)の中で生活することがほとんどです。 ※普段から、ケージや移動時に使うキャリーに慣らしておきましょう。 ※経年劣化で壊れていないか確認を。 ※猫ちゃんは洗濯ネットがあると安心して入ってくれるので便利です。 |
排泄物の処理用具、ペットシーツ、おむつ、においの出にくいうんち袋など | ◎ | ペットの臭いは避難所でトラブルを引き起こします。臭い対策グッズも用意しておきましょう。 |
犬用靴下やバンテージ | △ | 犬を徒歩で非難させる場合、瓦礫などによるケガから足を守ることができます。 |
おもちゃ | △ | ペットのストレス解消に役立ちます。 |
動物病院でできる準備
避難施設には多くのペットがやってきます。
普段から狂犬病予防注射、混合ワクチン注射、ノミ・マダニや フィラリア予防などを済ませておき、
感染症から身を守りましょう。避妊・去勢手術はストレス軽減やトラブル防止にも効果が期待できます。
項目 | 優先度 | 必要な理由、注意点 |
---|---|---|
避妊・去勢手術の実施 | ◎ | ペットが逃げ出した時に繁殖させないために行います。避難所での性的ストレスも抑えることができます。 ※繁殖させる予定があれば手術は不要です。 |
年1回の狂犬病予防注射の実施と鑑札、狂犬病予防注射済票の装着 | ◎ | ペットの迷子対策として鑑札が役立ちます。逃げ出した時のために狂犬病予防も必要です。 ※鑑札や注射済票を身につけておくことは飼い主様の義務となっています(狂犬病予防法)。 |
混合ワクチン | ◎ | 被災した際や避難所・シェルターなどで、ペットがウイルスに感染するのを防ぎます。 |
各種寄生虫予防:犬フィラリア、ノミ・マダニなど | ◎ | 被災した際や避難所・シェルターなどで寄生虫をうつされずに済みます。 |
マイクロチップ | ○ | 迷子対策としてその子のデータが入ったマイクロチップを体内に埋め込みましょう。 (公社)日本獣医師会などに、飼い主情報および動物情報の登録を行います。 |
定期的なシャンプーやトリミング、ブラッシング | ○ | ペットの体を常に清潔に保つことで、皮膚の感染症防止や臭いのトラブル防止につながります。 |
生活習慣やしつけの指導
災害時はケージの中で生活することも多くなります。普段からケージでの生活に慣らしておきましょう。
避難施設には、動物が苦手な人も多く避難してきます。
犬はむだ吠えをさせない、指示に従うなど、基本的なしつけをしておいてください。
項目 | 優先度 | 必要な理由、注意点 |
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「待て」「おいで」「おすわり」「伏せ」などの基本的なしつけと人やほかのペットとの交流 | ○ | 他の子とトラブルを起こさないためには、しつけと社会化の徹底が欠かせません。 |
トイレのしつけ | ○ | 決められた場所で排泄ができるようにしておきましょう。 ※猫ちゃんは避妊・去勢手術をすることで、しつけをしなくてもトイレでできるようになります。 |
キャリーバッグやケージでの生活 | ○ | 普段からキャリーバッグやケージ・クレートに慣れさせておきましょう。 |
人間とペット共通で活躍する備品
項目 | 優先度 | 必要な理由、注意点 |
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タオル | ◎ | 雨の時に汚れたペットの体などを拭くことができ便利です。 |
ウェットタオル・清浄綿 | ○ | ペットの目や耳の掃除などさまざまなシーンで活躍します。 |
ビニール袋 | ○ | ペットの排泄物の処理など、さまざまなシーンで活躍します。 |
ガムテープやマジック | △ | 避難所でケージを補修したり、段ボールでハウスを作ったり、ペット情報を掲示する際などに役立ちます。 |
ラジオ | ○ | いつでも手軽に緊急情報や最新情報を取り入れることができます。 |
ランタン | ○ | 灯りは生活に役立つとともに心を落ち着かせる効果もあります。 火を使うタイプは火災の原因となることもあるため、太陽光発電タイプがおすすめです。 |
ハトメ付きブルーシート | ○ | ペットのケージの下に敷いておくと掃除が楽にできます。また、暑さ対策に日陰を作ることもできます。 |
温度・湿度計 | ○ | 夏場はとくに、ペットが熱中症にかからないように温度・湿度計をチェックしましょう。 |
防寒・保温シート・カイロ | △ | 飼い主様とパートナーの防寒に役立ちます。 |
保冷剤・遮光ネット | △ | 飼い主様とパートナーの暑さ対策に役立ちます。 |
虫よけ用品 皮膚用スプレー ぶら下げ型 |
△ | ノミ・ダニや蚊による感染症からペットを守ることができます。 |
ウイルスまで対応可能な消毒薬 | △ | ペットの感染症予防に役立つとともに、臭いも抑えることができます。 消毒薬には、次亜塩素酸系消毒薬がおすすめです(刺激が強いため、濃度の高いものには直接触れないように注意しましょう)。 |
車中泊に対応した備え | △ | パートナーが避難所で過ごすことができないことも珍しくありません。車の中に敷くブルーシート、車に入れられるケージなども用意しておきましょう。 車中泊をする際にも用意しておくと安心です。 |
※優先度:◎高、〇中、△低。優先度はあくまでも災害に対する評価であり、飼育者の義務的評価ではない
- ローリングストック法を活用しましょう
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- 備蓄量の目安は、
いつものフード+非常食1ヶ月分 - 「ローリングストック法」では、普段から賞味期限を確認して古いものから使っていきます。
いつものフードだけでなく非常食も数週間に1度はあげるようにすると、災害時にもスムーズに食べてもらうことができます。
- 備蓄量の目安は、
- パートナーのストレス軽減を
意識しましょう - 普段と違う生活は、パートナーにもストレスを与えます。非常食には必ず消化の良いフードを用意しておきましょう。
また薬やサプリメント、トッピング、おやつなども忘れずに。食事だけでもいつもと変わらないものを用意することで、パートナーのストレスを軽減することができます。
- パートナーのストレス軽減を
避難時の対応を考えておきましょう
災害時には人間だけでなく、大切なパートナーも被災者となります。
家族の一員を守れるのは飼い主様だけです。
普段から災害時に備えて対策を練っておきましょう。